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やりたいことをやる。やりたくないことはやらない。

Canon Demi C用レンズ、SD28mmとSD50mmをα7に取り付ける話。

コンパクトカメラを名乗っているのになぜかレンズ交換のできる不思議な子Canon Demi C。この交換用レンズをフルサイズミラーレスに取り付けてみようって記事です。

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DemiCって

Canon Demi Cは1965年4月発売のハーフサイズコンパクトカメラ。

ハーフサイズカメラは35mmフィルムを2分割して縦構図で利用することにより、通常のフィルムカメラに比べて撮影枚数を2倍に増やすことができました。通常のカメラに比べ画質は劣化しましたが、撮影枚数やコンパクトさなどのメリットもあり結構人気のあったジャンルのようです。

 

Demi CはキヤノンのハーフサイズコンパクトカメラのDemiシリーズのうちで唯一のレンズ交換タイプです。ボディを持っていないので写真がないのですが、結構かわいいカメラですよ。

global.canon

交換レンズは標準レンズのSD 28mm f2.8と、望遠レンズのSD 50mm f2.8の2本。

トップに掲載しているのがその2本です。50mmは前玉の曲率の大きさからか、焦点距離50mmとは思えない美しさです。カメラミュージアムのカタログを見ると、手頃な大きさながら中望遠レンズを気軽に使えるという点をやはり売りにしていますね。

レンズシャッターがボディ側についているので、レンズには絞りがなく、全群繰り出しのヘリコイドのみというシンプルな作りになっています。直進ヘリコイドではないので、前玉は回転します。コンパクトだしここは値段を抑えたつくりなのでしょう。

今回はこのハーフサイズ用レンズを無理やり?フルサイズミラーレスのα7に取り付けてみます。本来は画角外になる周辺部まで含めて楽しんでやろうという方向性です。

 

蛇足ですが、ハーフサイズでレンズ交換式というとオリンパスのPEN Fシリーズがありますよね。レンズが取り外せるカメラなら、ソ連のChaikaもあります。

それ以外にレンズ交換できるハーフサイズってあったかな?
他にあれば教えてください。

 

SDレンズのマウントアダプターを作る

SDレンズは2種類しかラインナップされなかったこともあり、市販のマウントアダプターはありません。他のマウントを接着して使っている人もいるようですが、レンズを直接加工するのは気が引けますね。

仕方ないので今回はマウントアダプターを自作することにしました。

 

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レンズマウントスペックについて。レンズマウントは専用のねじ込み式です。ねじ径は30.5mmで、ピッチは0.5mmでしょうか。レンズ側には2条しかネジが切られていないので上手く測れません。ピッチが多少違ってても入っちゃうかも。

フランジバックは約31mm。フランジバックが意外と長いので、余裕でソニーEマウントに変換できます。ライカMマウントのフランジバックが27.8mmなので、Mマウントに変換することも可能。Mマウントならヘリコイドチューブが使えて便利になるので、今回はSDマウント→ライカMマウント→ソニーEマウントと変換してゆきます。

 

ということで某海外オークションサイトから55mm→30.5mmのステップダウンリングを購入。

www.ebay.com

またK&F ConceptのL39→Mマウントアダプターも購入しました。

www.ebay.com

K&Fですが、最近はアマゾンでも購入できるので、高品質なアダプターが安価かつ簡単に入手できるようになりました。

 

さてこれらの部材を加工してアダプターを作ります。手順は次の通り。

  • 旋盤を使ってステップダウンリングを厚み2.2mmまで薄く加工。いらない55mmのネジを削り取り、塗装を剥がします。
  • 接着剤(アラルダイトがおすすめ!)を使ってL39アダプターと薄くなったステップダウンリングを接着。
  • バイスで固定して1日待てば出来上がり!!!

作業中の画像がさっぱりないので、突然完成品が出てきちゃいますが。ででーん。

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Mマウント部分が写ってないですが、ちゃんとくっついてます。写真撮るときに気づけばよかった…

 

α7にSDレンズを取り付ける

 製作したマウントアダプターを使ってα7にレンズを取り付けてみます。

イカMマウント→Eマウントアダプターはebayで4000円くらいで買ったヘリコイド付きのもの。レンズからヘリコイドまですべてシルバーで揃えることができたので、端正な見た目になったように思います。

 

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レンズ本体とアダプター、2つのヘリコイドが付いていますので、意外と近接撮影に強いです。オールドレンズ、特にレンジファインダー用のレンズというのは全然寄れないのですが、ヘリコイドつきアダプターを使うことでかなり便利になりました。

 

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SD28mmを付けるととってもコンパクトで、コートのポケットとかならぎりぎり入ります。一方SD50mmは迫力のある雰囲気で、ハーフ用とは思えないですね。

 

今回はCanon Demi C用レンズSD28mmとSD50mmをライカMマウントに変換するマウントアダプターの作り方についてご紹介しました。作例はまた今度。ではでは。